【確認】苦手な歯科医院を笑気で克服し、歯周病を改善した症例
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苦手な歯科医院を笑気で克服し、歯周病を改善した症例
こちらの方が来院されたのは、奥歯が欠けたことをきっかけの受診でした。色々とお悩みや状況を伺うと、朝の洗口時に血が混じる、歯ブラシを使用しても出血する、このままで大丈夫だろうかと不安な状態が続いていたそうです。
歯医者さんが苦手で約20年ぶりの来院、過去に他の歯医者さんの治療で痛い経験をしたため、歯科医院から足が遠のいていた中で、勇気を出して来て頂きました。
検査結果(歯ぐきの状態)
●BOP(出血率):初診時 72% → 3ヶ月後(再評価時)55%に改善
BOP(Bleeding on Probing)とは、歯周ポケットを測定する際に出血する割合を示す指標です。健康な歯ぐきでは出血しませんが、炎症があると出血しやすくなります。
●PCR(プラークコントロール率):初診時 45% → 現在計測中
PCR(Plaque Control Record)とは、歯の表面に付着した歯垢(プラーク)の量を測定する指標です。値が低いほどセルフケアが良好であることを示します。
治療内容とアプローチ
歯周基本治療(SRP)
まず、SRP(スケーリング・ルートプレーニング) をブロックごとに4回に分けて実施(約2ヶ月)しました。
SRPとは、歯ぐきの中に入り込んだ歯石や細菌の塊(プラーク)を取り除き、歯の根の表面を滑らかにする処置です。歯周病の進行を抑えるために重要な治療です。
1回の治療で口腔全体を処置するのではなく、4回に分けて丁寧にクリーニングを実施しました。
笑気麻酔を活用し、リラックスした状態で治療
毎回 笑気(笑気吸引鎮静法)を利用し、不安を軽減しながらの処置となりました。
笑気とは、低濃度の笑気ガス(亜酸化窒素)を吸入することで、リラックスした状態で治療を受けられる麻酔法です。意識はあるままですが、不安や恐怖心が和らぎ、リラックスした気分になります。
メリットは、歯科治療に恐怖心がある人でも安心して治療を受けられることです。特に嘔吐反射(オエッとなる反射)が強い人には有効です。鎮痛作用もあるため、リラックスすると共に痛みを感じにくくなる方もいます。治療後は高濃度の酸素を吸収し、効果がすぐに消えるため、その後の影響も非常に少ないです。
セルフケアの指導(TBI)
並行して大切な歯磨き指導(TBI:Tooth Brushing Instruction) を行いました。
当院推奨のV7歯ブラシと歯間ブラシを使用し、正しいブラッシング方法を一緒に練習して頂きました。
以前はフロスを使っていましたが、嘔吐反射の影響で習慣化できず断念した経緯がありました。現在は正しいお手入れ方法を習得され、自身でのケアをしっかり継続し、毎日のプラークコントロールを改善中です。
健康観の変化と定期メンテナンス
歯科医院での 専門的な歯周病治療(SRP、歯石除去など) は非常に重要ですが、しかし、それ以上に 毎日のセルフケア(正しい歯磨き習慣、歯間ブラシの活用など) が歯周病治療、予防の鍵となります。
安心して任せられるかかりつけ歯科医院を見つけ、より沿った治療をきっかけに 「自分の歯を守る意識」 が高まり、ケアへの意識も変化してきます。
今後も歯科医院と患者さんの二人三脚で継続的に良い状態を保つために、定期メンテナンスで管理を行って参ります。
年齢・性別 | 30代 女性 |
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治療期間 | 3ヵ月(7回) |
治療費(税込) | 保険適用 |
副作用とリスク | ・治療後に、歯石に覆われていた歯の一部が露出することで、一時的にしみる症状が出ることがあります。 ・歯ぐきが引き締ることで、歯ぐきの隙間が目立つことがあります |